■ポケモン不思議のダンジョンに関して
DS初の不思議のダンジョンシリーズということで期待したのだが、
なんかいまいちという感じだった。
開発時にわざわざ専用のROMを作ってもらったというくらい、
たしかにボリュームやストーリーと言ったところではこれまでにはないくらいのスケールを感じさせてくれたのだが、
肝心のゲーム部分がなんだか微妙だった。
まずモンスターを仲間にするシステム。
なんでドラクエ5と一緒で、倒した敵が起き上がって仲間になるシステムなんだろう?
このゲームは基本的に人間が出てこない、ポケモンだけの世界なので、
モンスターボールで仲間にするわけにはいかなかったのはわかるのだが、
他に方法は無かったのだろうか?
主人公には重大なヒミツが隠されていて、それが関係するのかとも思ったが特につながりは無かったし。
次にレベルシステムについて。
不思議のダンジョンでは一回死んだらレベルがまた最初から、
というのが醍醐味だったのだが、
最近ではその風潮が変わり、
レベルが下がらない固定方式が多くなった。
プレイするユーザー層を考えれば、気持ちは分かる、気持ちは分かるのだが、
RPGということに固執しすぎていて、
不思議のダンジョンであるということがないがしろにされていると言った感じである。
あの駆け引き感が面白いのに・・・。
レベル1からのダンジョンもあるが、これも結構微妙。
フーディンを使用すれば結構な確率でクリアできたりしてしまうのである。
こんなのクリアできるのか?というダンジョンをクリアしてこそが、
不思議のダンジョンの楽しみだと思うのに・・・。
次にポケモン自体の能力について。
このゲーム、386匹くらいのポケモンが出てくるのだが、
ハッキリ言って原作のポケモンの個性を無視している部分がある。
”ステータスが原作とはまるで違う”のである。
例えばイワークという典型的な防御型のポケモンがいる。
HP/こうげき/とくこう/ぼうぎょ/とくぼうというステータスがあるのだが、
このステータスがイワークの場合こうである。
レベル30
HP:94 こうげき:49 とくこう:50 ぼうぎょ:34 とくぼう:34
これが捕まえてすぐなんにもしていないイワークのステータスなのである。
それは既存のポケモンファンからしたらありえないステータスであり、
少なからずショックを覚えたことであろう。
”堅いだけでまったく使わない(使えない)イワークが攻撃ステータスの方が全然高い!!”と。
そしてさらにほとんどのポケモンが、進化させてもそんなにステータスが変わらない。
だったらなんのために進化させるのか?
ほとんどが趣味か、はたまた進化後じゃないと覚えない技を覚えるためである。
ちなみに後でも述べるが図鑑という概念が無いため図鑑を埋めるためという名目も無い。
そして哀しいことに
ステータスはアイテムを使えばどのポケモンでも最強になれてしまうのである。
伝説系ポケモンも原作ほど強くありません。ちょっと寂しい。
次にアイテムについて。
アイテムは全種類識別済みで、アイテム鑑定の面白さが無い。
シレンやトルネコの、
”自分でメモを取った売買値と、識別されているアイテムなどから推理してアイテムを鑑定する”
といった楽しみが、無い。
めんどくさいようだが、楽しいことなのだ。
これも年齢層を考えてのことだと思うが、ぜひ入れて欲しかった、
あと武器防具が無く、アイテムが識別済みだったので、「お店」の重要度が低くちょっと残念だった。
次に技について。
当然ポケモンなので、武器防具の概念が無い。
もちろん合成だって無い。
そのかわり、ポケモン特有の「技」という概念がある。
ほぼ原作どおりの技がポケモンごとに使え、
種類も非常に多い。
一応武器防具の合成の代わりということなのだろうが、
”技の連結”ということができる。
「にらみつける」と「ひっかく」を連結すれば、
1ターンで防御を下げた後に攻撃ができるわけだが、
この連結がかなり際限なく出来てしまうため、
「相手をからぶり状態にさせてしまう技」+「攻撃技」+「攻撃技」+「攻撃技」
というほぼ無敵のコンボも完成してしまう。
ボスなんて無傷で倒せてしまうこともざらだ。
ボス戦がいつあるかを分かっていれば、準備をしているだけで楽勝なのだ。
怖いのはむしろ通常の敵。これはちょっと残念だ。
そしてダンジョン。
このゲーム、ダンジョンの数は異様にある。
なんと総数40以上ものダンジョンがある。
とにかくボリュームはあるのだが、
いくつかのダンジョンはただモンスターを補完するためだけに存在し、
いまいち個性が少ない。
さらにはダンジョンごとの番付的なものが無く、
ダンジョンをクリアした記録なんてものは残らない。これは残念だ。
ふと疲れたとき、番付を見て思い出に浸る時間は貴重な時間なのだ。
最後に、
このゲーム、”モンスターを救助する”というのが主となっているせいか、
モンスターを集めるということに関してなんだか微妙なところがある。
”ポケモン図鑑”が無いのである。
ポケモンシリーズにはもちろんポケモン図鑑があり、大きな目的としてポケモン図鑑を完成させることに意義があった。
ポケモンピンボールにも図鑑的なものがあり、当然これを埋めることが目的となってくる。
なのにポケモン不思議のダンジョンにはポケモン図鑑が無いのである。
そこにはコレクター魂を刺激する大きな要素が欠けていた。
一応ポケモンが住む場所というものがあり、そこにポケモンを集められるのだが、
図鑑的な、ポケモンの詳細と泣き声みたいなものが無くちょっとさびしかった。
もう一つ、
このゲームの一番とも言える肝が、
”他の人のポケモンを救助できる”
ということなのだが、
パスワードをやりとりすることでの救助であり、入力などの手間が結構めんどくさかった。
時期的に間に合わなかったことが大きいのだろうが、
ここはやはりWi-Fi通信にぜひとも対応して欲しいところだった。
システム的にも相性はバツグンだったと思うのだが・・・。
まあそれでも救助は出来るのだから希望としてだが。
ちなみにこのゲームはポケモンの数やダンジョンの数が非常に多いのでボリュームはある。
今セーブデータを見てみたら、140時間もプレイしていた。
と言っても
3分の1くらいはひたすらポケモン達の会話をメモしていた時間なのだが。
補足だがダンジョン数、ポケモン数、技数などには申し分の無いものがある。
ストーリーや音楽もいいので、
不思議のダンジョンのファンではなく、軽いポケモンファンである人にはオススメの作品かもしれない。
そういった点で言うと、内容とターゲットユーザーが噛みあっているとも言えるのだが。
■ロストマジックについて
知名度の低さにおいて、
あまり売れなかったゲームではあるのだが、
タッチペンで魔方陣を描いて魔法を使うというシステムは斬新であり、
なかなか楽しい部分であった。
さらにはWi-fi対戦対応ということで、見知らぬ人と対戦できるという利点があった。
主人公自身が魔法使いであり、
魔法を使って攻撃などができるのだが、
なにぶん魔法使いなだけに、体力が低く、とにかく打たれ弱い。
そこをカバーするのが、”魔物”の存在であり、
魔法で仲間にした魔物と一緒に戦闘ができるのである。
そこにはいろいろな戦略を生む要素があり、
Wi-fiを生かした対戦ではまさに戦略が要求された。
ストーリーは五部構成となっており、
途中の選択肢によっては、エンディングが四つ程に分岐する。
しかもグッドエンディングのみというわけではなく、
場合によっては世にもさびしいバッドエンディングを迎えることができるのだ。
ちなみに一番いいグッドエンディングの場合のみ、タイアップ曲が流れるのだが、公式サイトには結構大きく取り上げられているくせに、聞けない人が多いってのは微妙に詐欺っぽい感じがした。必要無いけど。
まだまだ練り上げたアイデアを出したばっかりと言った感じのゲームで、いろいろと荒削りな部分が見られるが、
これからさらに作りこんでいくことによって確実に名作と呼べるおもしろいゲームになれる素質を秘めていると思う。
ぜひとも渾身の限りを尽くした続編を出して欲しいものである。
ちなみに、この4作品の、ファミ通でのクロスレビューの点は以下の通りである。
これがまたすごい。
マリオ&ルイージRPG2:35点
聖剣伝説DS:10+10+8+8=36点
ポケモン不思議のダンジョン:9+9+8+9=35点
ロストマジック:9+8+7+6=30点
何がすごいって、
あの聖剣伝説DSに10点満点をつけた人が二人いるってことだ。
ありえない。
あれが10点満点だったらいったいどれだけのゲームに10点が付くだろうか。
10点満点とはその人にとってもうこれ以上のゲームは無いよ!!っていうゲームにのみつけられる点数のはずなのである。
メニュー周りの処理の遅さだけで間違いなく減点なはずなのに、10点!!
記者のコメントも微妙に不安要素を挙げていたのに、10点!!
なんだかこれから発売される
聖剣伝説4を傷つけないように無難に採点しているとしか思えない。
とまあファミ通のクロスレビューについてはこの辺りで、本題であるDSのRPGソフトについて書いてみる。
今現在DSブームの大きな牽引役となったソフトは、
脳を鍛える大人のDSトレーニング、
ニンテンドッグ、
どうぶつの森、
などの、RPG以外のゲームである。
任天堂の掲げる、
”すべての人にゲームを楽しんでもらう”的な要素にまさにはまっていると言えるのだが、
どうにもこうにもRPGがいまいちで、
元から居るヘビーゲーマーがないがしろにされている気がしてならない。
今、DSのRPGについて期待している点はそこであり、
これから発売されるテイルズとゼノサーガは正統派大作として期待したいところだ。(ゼノサーガは移植的作品だが)
それとは違う意味で今期待しているソフトは、[Contact]コンタクトだ。
発売される前から噂されるやり込み要素と、不思議な世界観に期待している。
正統派では無さそうだけれども、
どこかマザーを彷彿とさせる部分には心惹かれる部分がある。
当然プレイ予定で、
攻略メモも書いている。
そして期待していると言えばマザー3なのだが、
マザー3にはやり込みでは無く、ゲーム性に期待をしているのでまたちょっと方向性が違う。
そもそもニンテンドーDSでは無くゲームボーイアドバンスだし。
マザーは糸井重里の不思議ワールドにどっぷり浸かるゲームだ。
ニガテな人にはさっぱりわからない面白さがまたいいのだ。
頭にキノコを生やすことのあるゲームなんてそうそう無いと思う。
とにもかくにも、
”タッチDS”のコンセプトにとらわれすぎず、
そろそろDSで面白いRPGが発売されることを心待ちにしている日々である。
タッチペンばかり使ってないで、
腰を据えて落ち着いてゲームをしたいのですよ、おじさんは。
携帯ゲームにそんなことを言うのはそもそも間違っているのかもしれないけれど。
そして終始まとまりの無い文章ですみませんでした。
最近なんとなく、
やったことも無いのにディスガイア2をプレイしたくなったのは、
きっと、マリオ、聖剣、ポケダンと、
ぬるいゲームをやってきたからなんだろうなぁと、今思う。
(ロストマジックはゲームオーバーになりまくるゲームなので注意)